pure's movie reviewⅣ

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グラン・トリノ

date★2009.05.31(Sun) category★アメリカ作品
グラン・トリノ

2008年 アメリカ作品 117分 ワーナー配給
原題:GRAN TORINO
STAFF
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ニック・シェンク
原案:デヴィッド・ジョハンソン ニック・シェンク
CAST
クリント・イーストウッド ビー・ヴァン アーニー・ハー クリストファー・カーリー コリー・ハードリクト


俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。
少年は知らなかった、人生の始め方を。


■Story
長年一筋で勤め上げたフォードの工場を引退し、妻にも先立たれた孤独な老人ウォルト・コワルスキー。
いまや、彼の暮らす住宅街に昔馴染みは一人もおらず、朝鮮戦争帰還兵の彼が嫌ってやまないアジア人をはじめ外国人であふれる通りを目にしては苦虫をかみつぶし、亡き妻に頼まれたと、しつこく懺悔を勧めてくる若造神父にも悪態をついては追い返す日々。
自宅をきれいに手入れしながら、愛犬デイジーと72年製フォード車グラン・トリノを心の友に、お迎えが来るのをただじっと待つ退屈な余生を送っていた。
そんなある日、彼が大切にする自慢の庭で、隣に住むモン族の気弱な少年タオと不良少年グループがもみ合っているのを目撃したウォルト。
彼らを追い払おうとライフルを手にするが、結果的にタオを助けることに。
タオの母親と姉がこれに感謝し、以来何かとお節介を焼き始める。
最初は迷惑がるものの、次第に父親のいないタオのことを気に掛けるようになるウォルトだったが…。
allcinemaより)


グラン・トリノ2

必ず余韻を残すイーストウッドの作品を観た後、自分なりにあれこれ考え込んでしまう時間が何となく好きだったりします。

「カメラの前で演じる事よりも、カメラの裏の仕事の方が今の自分は興味深いんだ」
と語るイーストウッドだけど、彼の素晴らしい点は、監督業と俳優業を切り離して考え、そしてどちらの仕事でも超一級品を作り上げる点だと思う。
よく監督と俳優を兼任してる人は、自分の自分による自分のための独りよがりな映画を作ってしまう人が多いように思えるけど、イーストウッドは自分の実年齢や容姿やオーラを充分わきまえていて、その作品に自分はふさわしくないと思えばカメラの前から潔く姿を消してしまう。
それを「チェンジリング」では、「誘拐される子供達を演じるには、俺は若すぎるだろ?」なんてユーモアを交えて語っていた。
そして今作では逆に自分以上にふさわしい俳優はいないと的確な判断をし、また最高傑作を作り出してくれました。

今作もずっしりと余韻を残していってくれました、イーストウッド監督…。
またまた賛否両論分かれるラストです。
実は観終わった直後は、彼の作品の中では珍しく主人公の出した結論に反対でした。
自分の余命を見据えての決断だったのだろうけど、遺されたタオやスーの気持ちはどうなる?
自分たちのせいで殺されてしまうのと、病気に負けて亡くなるのとでは、心に残る傷の深さが違うのではないか?
カッコイイ幕引きだったけど、それって自己満足だよ、と。
でも観終わって数時間経った今は、意見が変わってきた。
それはまだ上手く文章にまとめられないのだけれども、決して自己満足や恩の押し売りではなく、命をかけた息子・娘同然の二人への教訓だったのかな、と。

深読みしすぎなのかもしれないけど、彼の映画人生とリンクさせるとよりいっそう深いラストに思えてならない。
70年代の彼の有名な作品の数々はまだ観てないのだけれども、銃を乱射して暴力は暴力で制すというような役どころばかりだったらしいですよね?
でも、出演作品はコレが最後だと言われてる今作で、暴力は暴力しか生まないということを自身の役を殺して訴えているのです。
これが彼の俳優人生の幕の引き方なのかなと思うと、妙に切なくて仕方が無い。
そして「やられたわ~!」と思わず叫びたくなる。
でもでも、願わくばそんなカッコイイ幕引きではなく、これからも監督:クリント・イーストウッド作品は勿論、俳優:クリント・イーストウッド作品も観たい!と思う。
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